きちんとした歯磨きをしていないと、虫歯になるだけでなく、歯周病にもなってしまいます。40代以降では80%をこえるとも言われていますね。
歯周病で炎症を起こしている歯肉と歯の間には、歯垢・歯石がたまり歯周病菌が繁殖しています。歯周病は医院で治療していただく事がベストですが、歯肉マッサージをうまく取り入れる事も、セルフケアといった意味ではおすすめです。
ケアⅠでお話した「お風呂での歯磨き」時は、歯肉の血行がよくなっていますから、歯肉が緩み、汚れがおとしやすい状態です。爪で歯肉を傷つけないよう注意しながら、指の腹で歯肉側から歯の方に向かう方向で指圧するようにマッサージしていきます。歯茎の奥の汚れをやさしく押し出すようなイメージです。
入浴時でない時は、まず歯肉全体を指の腹でやさしくくるくるマッサージしてから行っても良いですね。爪を短く切ってから行いましょう。歯肉を傷つけると、口内炎になってしまうおそれがありますから。
日頃のストレス、生活習慣で皆さん知らず知らずのうちに、食いしばっていたり、歯ぎしりをしたりしている方々が大変多くいらっしゃいます。歯が削れ噛み合わせの不具合や歯列不正から、頬やこめかみ周辺の筋肉バランスが崩れ、お顔の形が変わってしまったり、頭痛を起こしてしまうケースも少なくありません。ストレス社会ですからね。お口の状態を診ると、患者さんいろいろ我慢してしているのかな...と思う事が多々あります。
まずは深呼吸。そして、奥歯で噛んだ時に動くこめかみの筋肉をマッサージ。私自身もよくマッサージしております。はぎしり・くいしばりの強い方は、咀嚼筋の極度の緊張から頭痛を起こしがちなので、気が付いた時に側頭部を温めながらマッサージをするとよいでしょう。
また、頬についてもお顔の表情をつくる筋肉が存在しています。ストレスにより筋肉の緊張が高まるため、お口があきにくくなったり、表情が硬くなったりします。改善法としては、指を使ったマッサージが効果的です。親指を頬にあて、人差し指をお口の中に入れて頬を挟みます。挟みながら頬を上下左右にゆっくりグラインドしながらストレッチします。
血行を改善しながら、筋肉の緊張をほぐす事がより効果的でしょう。
頬が柔らかくなると、笑顔がより自然になりますよ。
唾液の分泌量は年齢やストレス、内服薬の副作用等などで減少することがあります。すなわち口腔乾燥、ドライマウスを引き起こすこととなります。
唾液にはPH緩衝作用やお口の中の細菌の殺菌など、虫歯予防や歯周病予防、口臭予防に欠かせない大切な役割があります。ドライマウスを引き起こせば、口腔疾患が増えるわけです。
お薬を服用していて、副作用で唾液が減少している場合は、お薬を処方してもらっているお医者さんに相談してみるのも良いかもしれません。
そうでない場合は、唾液の分泌をうながすマッサージをしてみて下さい。唾液腺は3ヶ所あります。ひとつめは、耳たぶから1~2センチほど前に耳下腺といわれる最大の唾液腺です。
ここは、指を2本あてがってローリングしながらマッサージするとよいでしょう。ふたつめは、あごの骨の内側の部分に顎下腺があります。また、顎下腺の前方の舌の下辺りには、舌下腺があります。このふたつ唾液腺は、親指を使ってあごの骨の内側を力をいれずに触るくらいの感じで、指圧マッサージする感じがよいでしょう。
こちらも「お風呂での歯磨き」時間におすすめです。体が温まって血行が良くなっている時は、質の良い唾液が出やすくなっています。